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【活動報告】アスパラハウスにおける現地調査結果(9月14日)

秋の気配が深まる中、農業の現場では依然として害虫との厳しい戦いが続いています。今回は、2026年9月14日に実施した朝倉地域のアスパラガスハウスにおけるハスモンヨトウの現地調査結果についてお伝えします。

1. アスパラガスを狙うヨトウガの脅威

現在、アスパラガス農家の方々を深く悩ませているのが「ハスモンヨトウ」をはじめとするヨトウガの仲間などの害虫です。アスパラガス栽培において、これらの害虫は葉や茎を激しく食い荒らし、収穫量や品質に大きな悪影響を及ぼします。

  • ヨトウガ類とは?
    ガの一種で、その幼虫が農作物を食害します。卵は葉の裏などに産み付けられます。
  • 被害の進行
    孵化(ふか)した幼虫は最初は1ミリにも満たない大きさですが、25℃では約2週間で「老齢幼虫(2センチ程度の大きく成長した幼虫)」になります。
  • 防除の難しさ
    老齢幼虫にまで成長してしまうと農薬が効きにくくなるため、孵化から4〜5日以内の初期段階で農薬を散布して駆除する必要があります。

アスパラガス畑に入ると、農家の方が葉の裏や防虫ネットに産み付けられた小さな卵を見せてくれました。しかし、その卵は非常に小さく、「毎日探してもこれを見つけるのは至難の業。奥の方に産み付けられていたら気づけない」と農家の方もこぼします。

アスパラガスのハウス栽培では、防虫ネットを張ることで害虫の侵入を一定程度防ぐことができます。しかし、ヨトウガ類はネット自体やハウスの支柱に産卵することがあり、孵化した小さな幼虫が網目をすり抜けて内部へ侵入してしまうケースもあります。今回の調査でも結束バンドへのハスモンヨトウの産卵が確認できました。

一度ハウス内に侵入を許してしまうと、大きく茂ったアスパラガスの葉が邪魔をして、農薬を葉の奥深くや裏側にまでしっかり行き渡らせることが難しいという技術的な課題も存在します。特にアスパラガスは新芽の先端部分を害虫に食害されると、売り物としての価値が失われてしまうため、侵入阻止と早期発見・防除の精度向上が強く求められています。

2. 通信技術で早期発見!自動観測システム「ムシミエール」

害虫の発生をいかに早く察知し、適切なタイミングで農薬をまくかが勝負の分かれ目となります。そこで注目されているのが、害虫の自動観測システム(通称:ムシミエール)です。

このシステムは、害虫を誘き寄せる「フェロモントラップ」に、赤外線センサーと通信機能を組み合わせた最新機器です。

  • フェロモントラップとは?
    特定の虫(今回はヨトウガなど)が好む匂い(フェロモン)を放ち、おびき寄せて捕獲する装置のことです。

これまでは農家が自ら広い畑を見回り、罠にかかった虫の数を数える必要がありました。また、自治体から「害虫発生注意報」などの情報が出るのを待っていては、実際の畑の状況とタイムラグが生じてしまい、対応が遅れることもありました。

しかし、この自動観測システムを畑に設置すれば、センサーが飛来した害虫を自動でカウントし、データをリアルタイムで送信してくれます。これにより、農家はスマートフォンから現在の発生状況を正確に把握でき、実際の圃場を観察したうえで、「まさに今が農薬をまくベストなタイミングだ」と判断できるのです。

3.おわりに

気候変動の影響もあり、害虫の発生時期や量の予測は年々難しくなっています。だからこそ、現場で培われた農家の知恵と、最新のデジタル技術を掛け合わせた「スマート農業」の重要性が高まっています。

日本農業支援サービス(株)は、農家の皆さまが安心して栽培に専念できるよう、新しい技術を現場目線で提供します。